泣きっ面に八兵衛

先輩のバカ！彼女いないなんて嘘ついて！もう先輩なんて知らない！もう恋なんてしない！
『おぅおぅ、えらく荒れてんな。こんな時は美味しいものでも食べて元気出そうぜ』
勿論よ！店員さん！このスイーツ上から下まで全部持ってきて！…何その顔？全部食べられるかって？食べられなきゃ注文しないわよ！

『また凄い量だな。ま、安心しな。お前には水戸黄門でお馴染み、この八兵衛が守護霊として憑いているんだ！…って聞いちゃいねぇし…パフェ、美味いか？』
コクコクっ！
『そいつは良かった。ところでちょっと横見てみ。愛しの先輩が心配そうに見ているぞ？』
！？せっ先輩…何でここに…って、先輩なんてもうどうでもいいわ！せいぜい彼女とイチャイチャしていたら！
何のことかだって？惚けないでよ！別の女とキスしているの見たんだから！
…あれは双子の弟？…本当だ…先輩が二人いる…
『まったく…こいつときたら俺と同じでうっかりだな』