いつも死んでいる君

6
5

僕の前で君はいつも死んでいる

「死んでるよ」と言うと

「死んでるわけないじゃん」と答える

でも死んでいるのは間違いない
だって眼球が落ちるし、頬の肉が腐ってずり落ちる
会う時はいつも死んだばかりで、一緒にいる間に腐食が進んでいく

「死んでると思うけどなあ」
「だから違って」

そんなことを言いながら別れ、次に会った時にはまた新鮮な死体に戻っている
そして腐る
その繰り返しが僕らの逢瀬だ
ファンタジー
公開:19/02/07 03:55

一田和樹( バンクーバー )

小説を書いています。
Amazon著者ページ https://t.co/ZrGUiK7HaJ 
公式サイト http://ichida-kazuki.com 
ツイッター @K_Ichida
使用している写真は全て私自身が撮影したか描いたものです。

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容