アリバイ証明

2
4

アリバイを示す為に当時の現場を再現することになった。俺は家のリビングに行くと、ケーキの箱が置かれた机の前で立ち止まる。
「俺が帰って来た時ケーキはここにあった。もちろん蓋は開いていない」
その後、喉が渇いたので冷蔵庫の中を漁り、麦茶を一気飲みした。
そうして振り返った時にはケーキの箱は開いていて、中は空っぽだったのだ。
「本当だ!俺は盗んでいないしリビングには誰もいなかった!」
「ではやはりアリバイはないのですね?」
「証言者ならいる!飼い猫のミケはずっとリビングにいた!」
「先程は誰もいないと言っていましたが」
「猫はカウントできないと思ったんだよ!」
「では証言を聞いてみましょう」
裁判官の言葉で、抱きかかえられたミケが連れて来られた。
動くこともなくじっと俺を見つめている。
「ではミケさん、証言をどうぞ」
「みゃあ」
ミケのお陰で俺のアリバイは証明され、無罪となった。
ミステリー・推理
公開:19/02/05 14:24

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容