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紅がすべてを攫うように世界を塗り潰していく。

わたしは言葉のひとつも出すことができずにその様子を怯えた双眸で見下ろしていた。

生まれ育った場所も大切な思い出も掛け替えのない人々もわたしから奪うように紅に染めていく。

御魂を差し出せばお前の望むようにしよう。

耳元で囁く亡霊に唇を震わせて。
ファンタジー
公開:19/02/05 13:24

きざはしと同一人物。
140字小説を書きます。

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