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とある惑星の支配下となった地球上の荒野を二人の幼い兄弟が歩いていた。
途中、その惑星の兵士と遭遇し、兄は身構えて懐中に手を入れた。
兵士は、兄が手にした筒状の物体が武器でないと分かると、円盤に戻り夜空に光の軌道を描いて去っていった。
兄の背中に隠れていた弟は空を見て叫んだ。
「行ったね! あ、また戻ってきた! ん? 光り方も飛び方も違う、今度は違う円盤だ!」
兄はそんな弟の頭を優しく撫でた。
「ラジオで言ってた通りだ。今夜が七十六年に一度の特別な夜だって」
そう言って兄は、懐中から携帯用の天体望遠鏡を取り出した。
ファンタジー
公開:19/02/05 07:24
更新:19/03/16 17:20
ハレー彗星

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