歓迎会

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昔、とある老夫婦から変な話を聞いたことがある。二人は不気味な笑みを浮かべて口を揃えて言った。
『星の数だけ目があり、腕があり、足がある』ってさ。
つまり僕達が死んだら、幽霊になったら夜空の星が六つずつ増えていくってこと。ただそれだけなんだけど、僕は二人の目と後ろの星が無性に怖くなって脱兎の如く一心不乱に逃げた筈なんだけど。
夜空に彷徨う幽霊達はにやりと目を細めて笑った。
悪寒が背筋を走ると共にドーム状に広がる黒一面に金の斑点模様が僕を見据えているのを感じ足が竦む。
僕も見つめ返す事しか出来なくて、悔しさと無念の気持ちで一杯になる。
何故だろう、恐怖は感じない。
それは僕の在り方は畏怖する幽霊と大差ないということなのかもね。
僕の真っ二つに割れた前頭葉は右脳左脳と分かれたように他の内臓も片腕片足とペアを作って掌で丸めた様な肉塊となる。
逃げきれなかった僕を空に撒く老夫婦の表情は暗かった。
ホラー
公開:19/02/05 23:48

腹痛

犬派です

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