鬼は内
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鬼は外に追い出すものだ。だから、本来なら家の中にまいていき、最後は玄関にまくものだ。しかし、これを知らない人間は多い。やつらも多分に漏れず、我々を室内に招いてくれた。
(しめしめ、何も知らずに)
くつくつと笑いを抑えながら、無駄な行いをするやつらを見つめている。邪気払いの豆を避けつつ、我々は仏壇のある床の間に足を踏み入れた。
「愚かよな、彼奴ら」
「まて……なぜあのような弧を描いて豆をまく?もはや我々の足場はここを置いて他な」
パァンと派手な音を響かせ、同胞の頭が砕け散った。見やると、彼奴が眼鏡を押し上げながら豆を片手で擦り合わせていた。
「福は外。鬼は内……。かかってこいよ。鬼退治の始まりだぜ」
「小癪な!鬼を舐めるなよ!」
眼鏡男は家の外に避難させた家族にそっと心で別れを告げ、手印を結んだ。
「起きろよオヤジ」
仏壇から、老人の霊が姿を現した。
鬼の隙をついた挟み撃ち。死闘が始まった。
(しめしめ、何も知らずに)
くつくつと笑いを抑えながら、無駄な行いをするやつらを見つめている。邪気払いの豆を避けつつ、我々は仏壇のある床の間に足を踏み入れた。
「愚かよな、彼奴ら」
「まて……なぜあのような弧を描いて豆をまく?もはや我々の足場はここを置いて他な」
パァンと派手な音を響かせ、同胞の頭が砕け散った。見やると、彼奴が眼鏡を押し上げながら豆を片手で擦り合わせていた。
「福は外。鬼は内……。かかってこいよ。鬼退治の始まりだぜ」
「小癪な!鬼を舐めるなよ!」
眼鏡男は家の外に避難させた家族にそっと心で別れを告げ、手印を結んだ。
「起きろよオヤジ」
仏壇から、老人の霊が姿を現した。
鬼の隙をついた挟み撃ち。死闘が始まった。
その他
公開:19/02/03 22:03
アクション豆まき
歳の数だけ豆食って回復
殲滅戦
400文字の面白さに惹かれて始めました!
文字や詩のようなものを書くのが趣味です。
情緒不安定気味でアゲサゲ落差のひどい人間ですw
いろんな方々の作品を読んで、心を豊かにしていきたいです。
無料の電子書籍をつくりました。
『ショートショート作品集カプセルホテル【】SPACE』
a.co/1VIyjHz
『枇杷の独り言』
ショートショートコンテスト『家族』最優秀賞頂きました。
写真は全て自前でやっています(笑)
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