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——カランカラン。
店内に、来訪者を告げる音が響き渡る。
「いらっしゃいませ。何名様でしょうか」
男は対応してくれた店員には目もくれず、奥にいる彼女の元へ行く。
「ごめんね。急に呼び出して」
彼女はそう言うと、半分残っていたアイスコーヒーを飲み干した。グラスの中では、存在意義を失った氷達が黙って身を寄せ合う。
「で、話ってなんだよ」
男は音を立てて椅子に腰をかけると、彼女に向かって聞いた。
「率直に言うわね。別れたいの」
男は唖然とした表情で喚いた。
「なんでだよ!」
彼女はグラスの中で溶け始めている氷を見ながら小さな声で言った。
「そういう横暴な態度よ。もう我慢できないの」
彼女の固い意志を感じた男は、うなだれた。
「そんな……。」
身を寄せ合っていた氷達は、二人の会話を聞きながら、この時を待っていた。
——カランカラン。
店内には、別れを告げる音が響き渡った。
店内に、来訪者を告げる音が響き渡る。
「いらっしゃいませ。何名様でしょうか」
男は対応してくれた店員には目もくれず、奥にいる彼女の元へ行く。
「ごめんね。急に呼び出して」
彼女はそう言うと、半分残っていたアイスコーヒーを飲み干した。グラスの中では、存在意義を失った氷達が黙って身を寄せ合う。
「で、話ってなんだよ」
男は音を立てて椅子に腰をかけると、彼女に向かって聞いた。
「率直に言うわね。別れたいの」
男は唖然とした表情で喚いた。
「なんでだよ!」
彼女はグラスの中で溶け始めている氷を見ながら小さな声で言った。
「そういう横暴な態度よ。もう我慢できないの」
彼女の固い意志を感じた男は、うなだれた。
「そんな……。」
身を寄せ合っていた氷達は、二人の会話を聞きながら、この時を待っていた。
——カランカラン。
店内には、別れを告げる音が響き渡った。
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公開:19/02/03 21:34
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