北風とチョコレート

私のクラスでは今、男子の中でいじめが流行ってる。
昨日、私が先生に頼まれてプリントの山を運んでいるとタケシ君が私に声をかけてきた。
「そのプリント！俺に運ばせてくれ！」
タケシ君は私の代わりにプリントを運んでくれた。小麦色の肌に白く光る歯がワイルドだ。
今日はマラソンの授業中、倒れてしまった私をシゲル君が保健室までお姫様抱っこで運んでくれた。
分厚い胸板。板チョコのように割れた腹筋はとても男らしい。
掃除の時も男子は重いものを率先して運んでくれる。
皆、真冬だというのにタンクトップに短パン姿。己の肉体に自信があるようだ。
北風にも負けないその姿に女子一同、男子の逞しさに顔を赤くする。
「いいか皆！マッチョが虐めるのは己の肉体だけだ！弱い者いじめは恥と知れ！」
クラス委員のタクヤ君が男子に言い聞かす。
どうしよう…ウチのクラスの男子、皆カッコ良すぎてバレンタイン、誰に告白するか迷っちゃう…