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「キター!キタキタキター!」
廊下の先から北風がビュンビュンと飛んできた。
「なんなんだよ?」
「南風、聞いてくれよ。俺、太陽ちゃんからバレンタインのチョコ貰っちゃった!」
「お前ら、この前ケンカしてなかったか?」
「いや、まあ、そうなんだけどさ」
北風は照れくさそうに頭をかいた。
「見せてみろよ」
北風はポケットから真っ赤なリボンのついた小さな袋を取り出した。
「これ義理チョコだよ」
「そんな事ないって!」
北風はリボンをほどいて袋を開けて、「ああっ!」と声をあげた。
「溶けてる」
「そりゃ太陽だからな」
「ハートが溶けるほど、俺の事を思ってくれてるなんて、太陽ちゃんはツンデレかよ~」
北風の寒い台詞に体を震わせ、僕はカバンの中から小さな袋を取り出した。見覚えのある真っ赤なリボンに北風がピタリと動きを止めた。
「義理だって言ったろ」
「そんな~」
「太陽を独り占めなんて出来るわけないよ」
廊下の先から北風がビュンビュンと飛んできた。
「なんなんだよ?」
「南風、聞いてくれよ。俺、太陽ちゃんからバレンタインのチョコ貰っちゃった!」
「お前ら、この前ケンカしてなかったか?」
「いや、まあ、そうなんだけどさ」
北風は照れくさそうに頭をかいた。
「見せてみろよ」
北風はポケットから真っ赤なリボンのついた小さな袋を取り出した。
「これ義理チョコだよ」
「そんな事ないって!」
北風はリボンをほどいて袋を開けて、「ああっ!」と声をあげた。
「溶けてる」
「そりゃ太陽だからな」
「ハートが溶けるほど、俺の事を思ってくれてるなんて、太陽ちゃんはツンデレかよ~」
北風の寒い台詞に体を震わせ、僕はカバンの中から小さな袋を取り出した。見覚えのある真っ赤なリボンに北風がピタリと動きを止めた。
「義理だって言ったろ」
「そんな~」
「太陽を独り占めなんて出来るわけないよ」
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公開:19/02/03 16:44
月の音色リスナーです。
ようやく300作に到達しました。ここまで続けられたのは、田丸先生と、大原さやかさんと、ここで出会えた皆さんのおかげです。月の文学館は通算24回採用。これからも楽しいお話を作っていきます。皆さんよろしくお願いします。
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