ゾンビチョコ

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街中に数千のゾンビが溢れていた。
バレンタインデーに想いを遂げられなかった人々の怨念がチョコに憑りついたのだ。
中でもチョコを大量に貰った者への憎悪や嫉妬が大半を占めていた。
そして、今もなお、現在進行形で、人の形を成し、新たな生贄を求め、街中を彷徨っている。
私はそんな様子をビルの上からお菓子をパリパリと食べながら見下ろしていた。
内心、可笑しくって、可笑しくって、しょうがなかった。恐怖よりも・・・
だって、いくら人々がゾンビチョコを殴り、バラバラに砕いても何度も何度もドロドロの液体状になって再生するのだ。
もう彼らには固定概念と言うものが無いのだろう。
一方、ゾンビチョコに噛みつかれた被害者たちは全身をチョコでコーティングされ、街の景観の一部になっていた。
500年後
ある有名探検家が雪山で不思議な街を発見した。何かに怯える様な顔をした人型チョコの像が街中に溢れているのだ。
公開:19/02/05 01:50
更新:19/02/05 02:28

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