シロネコナデシコ
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「宅急便です」
配達員は大きな四角い白猫を抱えていた。
「ハンコかサインをお願いします」
驚きのあまり固まった私を見て、配達員は口を開いた。
「シロネコナデシコのクール便です。ご利用は初めてですか?」
「はい」
「我が社では環境に配慮して、ダンボールや発泡スチロールを一切使わず、猫による冷凍配送を行なっております」
配達員は猫を足元に置いて、顎と尻尾の下に手を入れた。持ち上げると、猫の蓋が開き、中には袋詰めされた冷凍のワカサギが入っていた。
ワカサギを取り出して蓋を閉めると、普通の猫と変わらない姿になった。
「こちらの空き猫はご利用になりますか?不要になりましたら、玄関先に出して頂ければ自力で営業所に帰りますので。では失礼します」
猫は触るとひんやりとしていた。
しばらく戯れてから玄関先に出した。
「1匹どうぞ」
「ニャア」
白猫はワカサギをくわえて、住宅街を走り抜けていった。
配達員は大きな四角い白猫を抱えていた。
「ハンコかサインをお願いします」
驚きのあまり固まった私を見て、配達員は口を開いた。
「シロネコナデシコのクール便です。ご利用は初めてですか?」
「はい」
「我が社では環境に配慮して、ダンボールや発泡スチロールを一切使わず、猫による冷凍配送を行なっております」
配達員は猫を足元に置いて、顎と尻尾の下に手を入れた。持ち上げると、猫の蓋が開き、中には袋詰めされた冷凍のワカサギが入っていた。
ワカサギを取り出して蓋を閉めると、普通の猫と変わらない姿になった。
「こちらの空き猫はご利用になりますか?不要になりましたら、玄関先に出して頂ければ自力で営業所に帰りますので。では失礼します」
猫は触るとひんやりとしていた。
しばらく戯れてから玄関先に出した。
「1匹どうぞ」
「ニャア」
白猫はワカサギをくわえて、住宅街を走り抜けていった。
その他
公開:19/02/04 19:02
北海道出身です。
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