ショートショート「スカイウォーカー」
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俺みたいなクレーマーが跳梁跋扈する現代。
人手不足に喘ぐコンビニ業界は、恐ろしいルールを打ち出した。
店員が迷惑客に、暴力を振るうことを、許可したのだ。
このコンビニに常駐する店員は筋骨隆々の大男。
倒した客の数を星で表示する決まりに従い、星条旗みたいになった名札をいつも輝かせている。
だが今日は、アメリカ野郎は非番。
初めて見る女店員だ。
線が細く覇気もなく、名札に星が一つもない。
俺は内心で快哉を叫んだ。
熟練のクレーム術で、泣くまでイビりたおしてやる。
まずは先手必勝。レジカウンターに手をつき高圧的に切り出す。
「あのさぁ!このおにぎり、パッケー」
側頭部を蹴られた。
崩れ落ちる俺の前に、カウンターを飛び越え、女が舞い降りる。
次の瞬間叩き込まれるサッカーボールキック。
コピー機まで吹き飛んで失神する寸前、俺は確かに見た。
天の川くらい星に被われた、女のスニーカーを。
人手不足に喘ぐコンビニ業界は、恐ろしいルールを打ち出した。
店員が迷惑客に、暴力を振るうことを、許可したのだ。
このコンビニに常駐する店員は筋骨隆々の大男。
倒した客の数を星で表示する決まりに従い、星条旗みたいになった名札をいつも輝かせている。
だが今日は、アメリカ野郎は非番。
初めて見る女店員だ。
線が細く覇気もなく、名札に星が一つもない。
俺は内心で快哉を叫んだ。
熟練のクレーム術で、泣くまでイビりたおしてやる。
まずは先手必勝。レジカウンターに手をつき高圧的に切り出す。
「あのさぁ!このおにぎり、パッケー」
側頭部を蹴られた。
崩れ落ちる俺の前に、カウンターを飛び越え、女が舞い降りる。
次の瞬間叩き込まれるサッカーボールキック。
コピー機まで吹き飛んで失神する寸前、俺は確かに見た。
天の川くらい星に被われた、女のスニーカーを。
その他
公開:19/02/02 12:25
更新:19/02/02 12:36
更新:19/02/02 12:36
さがすな ありのぶ です。
グラインドコアとサメ映画が好きです。
長めのやつ
https://kakuyomu.jp/works/1177354054880370626
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