宝石神話:十二月『天空と大地の狭間』
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天空と大地とは、原初の夫婦であった。
天空が昼の姿で高みに昇る時、大地は世界に実りを産み、夜の姿で還る時、闇の床で胎内の種を育てた。
天の丘に、夫婦の子孫たる太古の神々が根ざし、やがて現大神の一族が取って代わり、天上は栄え、地にも生けるものが蔓延り、彩り豊かな世界を形成した。
繁栄は歴史と文化を、他方で貧富と欲と闘争を作り、神々も地上の事物も、果てなく盛衰と生死を繰り返して時は巡る。我らの手を経ずとも、世界は回ってゆくと知った天空と大地は、交わりを絶って眠りに就いた。
昼と夜の空が、時折礫となって大地に降る。
目を開けば、決まって世界は震撼し鳴動し、破局のただ中にあった。
晴れた青の礫。星の瞬く礫。反応せぬ大地に機嫌を損ね、火の粉を飛ばす日もある。
――関わってはならぬ。大地は地底を掻き、煙を上げて窘める。
我らが動けば世界は壊れる。祈って目を瞑るしか、我らにしてやれる事はないのだから。
天空が昼の姿で高みに昇る時、大地は世界に実りを産み、夜の姿で還る時、闇の床で胎内の種を育てた。
天の丘に、夫婦の子孫たる太古の神々が根ざし、やがて現大神の一族が取って代わり、天上は栄え、地にも生けるものが蔓延り、彩り豊かな世界を形成した。
繁栄は歴史と文化を、他方で貧富と欲と闘争を作り、神々も地上の事物も、果てなく盛衰と生死を繰り返して時は巡る。我らの手を経ずとも、世界は回ってゆくと知った天空と大地は、交わりを絶って眠りに就いた。
昼と夜の空が、時折礫となって大地に降る。
目を開けば、決まって世界は震撼し鳴動し、破局のただ中にあった。
晴れた青の礫。星の瞬く礫。反応せぬ大地に機嫌を損ね、火の粉を飛ばす日もある。
――関わってはならぬ。大地は地底を掻き、煙を上げて窘める。
我らが動けば世界は壊れる。祈って目を瞑るしか、我らにしてやれる事はないのだから。
ファンタジー
公開:19/02/02 12:00
誕生石と神話
十二月:トルコ石(ターコイズ)
/瑠璃(ラピスラズリ)
天空の神ウラノスと
大地の母神ガイア
創樹(もとき)と申します。
葬祭系の生花事業部に勤務の傍ら、物書きもどきをしております。
小石 創樹(こいわ もとき)名にて、AmazonでKindle書籍を出版中。ご興味をお持ちの方、よろしければ覗いてやって下さい。
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ベリーショートショートマガジン『ベリショーズ』
Light・Vol.6~Vol.13執筆&編集
他、note/monogatary/小説家になろう など投稿サイトに出没。
【直近の受賞歴】
第一回小鳥書房文学賞入賞 2022年6月作品集出版
愛媛新聞超ショートショートコンテスト2022 特別賞
第二回ひなた短編文学賞 双葉町長賞
いつも本当にありがとうございます!
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