静かな迫害

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 泣きそうな気分の時、私は悲しい歌を聴く。誰かに必要とされていないと感じた時の、奈落の底にたゆたうような感覚。そこに光は差さない。ただ、陰鬱とした落ち着いた音楽に寄り添い、自分を慰めるだけ。
 ちょっとのことですぐに奈落に落とされる私は、人と普通に付き合っていくことすら難しい。細かいことが気になったり、相手の言葉に敏感に反応してしまう。そんな私が一般的であるはずがない。そう思いつつも、どこかで自分は普通なのだと思いたい気持ちがある。
 普通とはなんなのか?
 振り幅が小さいことが普通なのか?
 常識からかけ離れていないこと?
 その常識は”普通”の人が作った多数決のようなものなのに?
 結局、マイノリティは静かに迫害される。この社会的な生き物のコミュニティで、少数派は異端。生きづらさを克服する努力を強いられるのは、いつだってこちら側なのだ。
その他
公開:19/02/01 22:05
マイノリティ 社会性 コミュ障はつらいよ

小麦

本業は絵描きなので、小説は下手の横好きです。
拙いですがよろしくお願いいたします。

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