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僕は生まれ変わりたい・・・
だから、こうして、居間の真ん中で仁王立ちし、我が身を取り巻く火炎に従っているのであろう。

居間の隅で全身ガソリンまみれの両親二人は、僕が立派に大人になると思っていたに違いないが、両親の予想は悉く覆された。

点火したライターを床に落とした瞬間に、見慣れた残像は、見るも美しい朱に変わっていた。

僕に理由は必要なかった・・・

部屋の天井に火が燃え移り、板が崩れ始める。
僕を大人になるまで見守ってくれた柱は、案外、脆く弱かった。

僕は火の手から逃げも隠れもしなかった。
確かに、自分のしたことに自責を感じたからその報いをうけるためかもしれない。

僕の身体に火が燃え移る。
自分の思っていた通りであった。下らない予想が仇となって、大穴を外したといったところか・・・

なら、大人になる前に、朱に染まっていれば良かったのかも・・・
ミステリー・推理
公開:19/02/02 22:47

神代博志( グスク )









 

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