月刊Bokkoの男

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 今月も会員からの旺盛な報告に、感謝する。
 H殿『こえだちゃんに始まる』の「木のおうち」の反動を用いる発想は斬新だ。
 O氏『ダッコちゃんの輪』、あのサイズに自らを適合させるまでの苛烈な鍛錬が語られた。
 初投稿J君の問題作『円空仏以前』の、掘り出される前の仏とのまぐわい。前衛的ではあるが、そこに「人形」を見出しうるか? 賛否が問われる。
 ベテラン投稿者N様『人形愛原理』は流石。人形は代替物に非ず、とのテーゼは我々に崇高さを取り戻させてくれ、「案山子」の淫靡さを、ここまで活写したレポートもN様ならではであろう。竹の節、藁の隙間、括られた紐に汚れた軍手等の豊かな詩情。満月の下、思わず引き抜いた案山子を肩に担いで走るN様の姿には、感涙を禁じえなかった。N様の、オロナインH軟膏の匂い立つ原稿は当会の至宝である。
 来月の特集は「彫刻における欠損とエロス」だ。それではよき人形性愛生活を!(S)
その他
公開:19/02/02 15:24
更新:19/05/28 11:42
ボッコちゃんリスペクト シリーズ「の男」

新出既出

星新一さんのようにかっちりと書く素養に乏しく、
川端康成さんの「掌の小説」のように書ければと思うので、
ショートショートとはズレているのかもしれないです。
オチ、どんでん返し、胸のすく結末。はありません。
400文字、おつきあいいただければ幸いです。

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