茶実さんの給湯室
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茶実さんは給湯室に住んでいるお茶の精だ。僕にしか見えない。
「お茶をいただけますか」
休憩時間、いつものように給湯室に駆け込むと、茶実さんは僕の顔を見て、熱々のお湯でサッと入れた煎茶を出してくれた。渋い、良い香りだ。頭がスッキリする。
「もう一杯いただけますか」
茶実さんは、今度は湯呑にお湯を入れてゆっくりと待つ。湯呑の内側に水滴がポツポツついてくると、急須にお湯を入れて少し待ち、ぬるめの煎茶を淹れてくれた。
「ああ、安らぎます」
今度は、まろやかで優しい。
茶実さんの入れるお茶は同じ茶葉でも、渋くなったり甘くなったりする。まるで僕の気分に合わせてくれてるみたいだ。
「またここで休憩してんの?休憩室来なよ」
同僚の葉子さんが顔を出した。
「ありがとう。いいんだ、ここが好きなんだ」
茶実さんを見ると、少し顔を紅らめている。
三杯目に淹れてくれたお茶は何故か玉露みたいにとろんと甘い味だった。
「お茶をいただけますか」
休憩時間、いつものように給湯室に駆け込むと、茶実さんは僕の顔を見て、熱々のお湯でサッと入れた煎茶を出してくれた。渋い、良い香りだ。頭がスッキリする。
「もう一杯いただけますか」
茶実さんは、今度は湯呑にお湯を入れてゆっくりと待つ。湯呑の内側に水滴がポツポツついてくると、急須にお湯を入れて少し待ち、ぬるめの煎茶を淹れてくれた。
「ああ、安らぎます」
今度は、まろやかで優しい。
茶実さんの入れるお茶は同じ茶葉でも、渋くなったり甘くなったりする。まるで僕の気分に合わせてくれてるみたいだ。
「またここで休憩してんの?休憩室来なよ」
同僚の葉子さんが顔を出した。
「ありがとう。いいんだ、ここが好きなんだ」
茶実さんを見ると、少し顔を紅らめている。
三杯目に淹れてくれたお茶は何故か玉露みたいにとろんと甘い味だった。
その他
公開:19/01/30 20:26
人間界で書いたり読んだりしてる骸骨。白むうと黒むうがいます。読書、音楽、舞台、昆虫が好き。松尾スズキと大人計画を愛する。ショートショートマガジン『ベリショーズ 』編集。そるとばたあ@ことば遊びのマネージャー。
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