子供切符
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子供切符を手に入れた。
俺は今年で32歳。仕事や家庭に疲れ切って、ついに買ってしまったのだ。
「こちらの12歳の子供切符でよろしいですね?」
店員の言葉に俺は小さく頷く。12歳。一番楽しかった時期だ。小難しいことは何も考えずによくて、友達と毎日馬鹿をやっているだけの日々。
「それでは行ってらっしゃいませ」
改札を通って俺は12番ホームへと向かう。
6分後に来た電車には、既に乗っている人が何人かいた。
電車で揺られていると、次第に自分が小さくなっていくのがわかった。
ふと隣の車両を見れば、白の清楚なワンピースを着た女の子がいた。
なんとなく気になって話しかけに行けば、女の子は少し驚いたような顔をした後に微笑んだ。
「少し疲れちゃって。家のこととか、いろいろ」
そう言って疲れたように微笑んだその顔が、妻に似ているような気がした。
俺は今年で32歳。仕事や家庭に疲れ切って、ついに買ってしまったのだ。
「こちらの12歳の子供切符でよろしいですね?」
店員の言葉に俺は小さく頷く。12歳。一番楽しかった時期だ。小難しいことは何も考えずによくて、友達と毎日馬鹿をやっているだけの日々。
「それでは行ってらっしゃいませ」
改札を通って俺は12番ホームへと向かう。
6分後に来た電車には、既に乗っている人が何人かいた。
電車で揺られていると、次第に自分が小さくなっていくのがわかった。
ふと隣の車両を見れば、白の清楚なワンピースを着た女の子がいた。
なんとなく気になって話しかけに行けば、女の子は少し驚いたような顔をした後に微笑んだ。
「少し疲れちゃって。家のこととか、いろいろ」
そう言って疲れたように微笑んだその顔が、妻に似ているような気がした。
ファンタジー
公開:19/01/30 19:18
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