新しく増えた保健所の仕事

近年、親が子に暴力を振るう事件が多発している。未来を担う子供達を虐待するとは何と嘆かわしい。
だがそれには理由があるのだとある医師が証明した。
暴力を振るう親は皆、ある病気にかかっていた。その名も、狂親病。
親が狂ったように子供を痛めつける。この鬼畜の所業はウイルスによるものだと発表された。モンスターペアレントもこの一種だと考えられている。
そうなると保健所の出番だ。
狂親病にかかった親を保健所の職員が保護し、檻に閉じ込める。案の定、親は暴言を吐き暴れている。
このまま時間とともに落ち着けばいいが、落ち着かなかった場合は処分対象だ。
そして被害者であり、引き取り手である子供が一定期間、親を引き取りに来なかった場合も処分対象である。
狂親病が世間に知れ渡ると子供の虐待事件も激減した。

『狂親病？そんなものは存在しないよ。だがロクデナシ共を閉じ込めるにはいい案だろ？』
医師はニヤリと笑った。