替え玉作戦

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なんということだ。麺が品切れてしまった。
時刻は午後12時25分。昼時の今、食堂内は人がごった返している。だというのに品切れだ。既に10以上頼まれているので、今更品切れですとは言えない。
仕方ない。替え玉作戦だ。
俺は冷蔵庫からうどんの束を取り出すと厨房へ走った。料理人達は動揺しながらも、指示された通りうどんの麺を使う。そうして人々の元へ運ばれていく光景を、固唾を飲んで見守っていた。
「ん?なんだこの麺は?」
「うまい!」
「知っているぞ!これは生麺というやつだな!」
どうやら替え玉作戦は成功したらしい。しかしホッとしたのも束の間、周りの騒ぎを聞いた他の客が、次々と注文を始めたのだ。
「店長!うどんの麺も品切れです!」
ミートに和風にカルボナーラ。まだまだ注文は続いていく。仕方ない。作戦を続行するしかない。
俺は徒歩二分のところにある自分の家へ走ると、インスタントラーメンの袋を持ち出した。
その他
公開:19/01/31 21:43

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