増えたものと減ったもの

「最近、ガソリンスタンド減ったよね」
「ああ、電気自動車やハイブリットカーが増えたからな。そもそも車を購入する人自体が減ったものな」
「そう言えば、公衆電話も減ったよね」
「いや、公衆電話は減ったように見えて実はそうでもないんだ」
「そうなの？」
「ああ、公衆電話は災害や緊急時などの有事の際にすぐに駆け込めるよう、町の中心地では半径５００m以内に1台必ず設置されてあるんだ。市街地でも１㎞圏内に必ず１台はあるぞ。これは国の取り決めでもあるんだ」
「そうなんだ」
「ああ、公衆電話は携帯電話より電波が優先されるからな。よく見ると意外とあるものだぞ」
「そうなんだ…」
「ああ、だから公衆電話に関しては減ったのではなく、公衆電話に対する人の見落としが増えたんだよ」
「上手いね～。父さん」