雪山の肉まん屋さん

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男が二人、真っ白な雪山で立ち尽くしていた。突然の猛吹雪に視界を遮られ、方向を見失ってしまったのだ。
「完全に遭難したな、こりゃ」
「これがホワイトアウトってやつか」
自然の驚異を目の当たりにした二人は、ガックリ膝から崩れ落ちた。その時……。

「肉ま~ん、肉まんはいらんかね~」

しゃがれ声と共に、湯気と良い香りを漂わせた見るからにホクホクの肉まんが、二人の目の前に浮かんでいた。
「に、肉まんだ!」
「落ち着け! こんなところに肉まんがあるわけないだろ。これは砂漠のオアシスみたいなもんだ」
「幻覚か。やはり俺たちは……」
「あぁ。ここまで、だ」


肉まんを頬張りながら、年老いた男が力尽きたふたりの男を見下ろしてた。
「ふん。こういう時くらい素直になれんもんかねぇ。どいつもこいつも、いつもこうだ。まぁ、いいや。こりゃ、久々に……」その男は舌なめずりをして呟いた。
「若い男の肉が手に入った」
ホラー
公開:19/01/28 23:50
ホワイトアウト肉まん スクー

壬生乃サル

まったり。

2022年…3本
2021年…12本
2020年…63本
2019年…219本
2018年…320本 (5/13~)

壬生乃サル(MiBU NO SARU)
Twitter(@saru_of_32)

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