正直者
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俺は正直者だ。
だからこそ、嘘つきというものに昔から大層憧れている。
どうにか自分も嘘つきになりたい。そこで俺は、詐欺を働くことにした。
「奥さん、こちらの幸運の壺、今ならなんと300万円でお譲りいたしますよ」
「幸運の壺?」
「はい。これを持っていれば、たちどころに幸福が訪れるでしょう」
そうして、何の変哲もないその壺を300万円で売り付けることに成功する。
これで自分も嘘つきの仲間入りだ。その日は気分よく家に帰り、ぐっすりと熟睡することができた。
しかしその一ヶ月後、壺を売り付けた女性が訪れて、こう言うのだった。
「ありがとうございます!あの壺を買ってから、父の病気は治り、宝くじで1000万当たり、娘の結婚が決まったんです!」
これもすべてあなたのおかげです!そう続ける女性に愛想笑いを返しながら、俺はがっくりと肩を落とした。
また嘘つきになれなかった。
だからこそ、嘘つきというものに昔から大層憧れている。
どうにか自分も嘘つきになりたい。そこで俺は、詐欺を働くことにした。
「奥さん、こちらの幸運の壺、今ならなんと300万円でお譲りいたしますよ」
「幸運の壺?」
「はい。これを持っていれば、たちどころに幸福が訪れるでしょう」
そうして、何の変哲もないその壺を300万円で売り付けることに成功する。
これで自分も嘘つきの仲間入りだ。その日は気分よく家に帰り、ぐっすりと熟睡することができた。
しかしその一ヶ月後、壺を売り付けた女性が訪れて、こう言うのだった。
「ありがとうございます!あの壺を買ってから、父の病気は治り、宝くじで1000万当たり、娘の結婚が決まったんです!」
これもすべてあなたのおかげです!そう続ける女性に愛想笑いを返しながら、俺はがっくりと肩を落とした。
また嘘つきになれなかった。
その他
公開:19/01/28 22:07
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