わたしと小さなわたし

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わたしには小さな友だちがいる。彼は4歳。公園で彼を追いかけながら、図書館で彼に囁きながら、わたしは幸せ。
彼のお昼寝の時間にママと話していた。「子どもがいるって大変だよね」

さようなら、また遊ぼうね
日が暮れて、わたしは帰る。
「ぼくといっしょにいるってたいへん?」
「そんなことないよ。会えるととっても幸せな気持ちだよ」
ごめんねごめんね、聞こえてたんだね。

どんなに大人になっても子どもの気持ちを忘れないでいようって、子どもの頃にわたしは誓っていた。
あの日、お母さんが近所のおばさんに「あの子と話しててもおもしろくないから」と言って、あとで隠れてうつむいたわたし。
ケンカの理由を知ろうともしてもらえないでただ怒ることを怒られたわたし。
たくさんの小さなわたしが何度も何度も誓いをたてた。

幼心も大人の心もどっちも身体の中にあって、どっちも行ったり来たりするわたし。
公開:19/01/28 20:15
更新:19/01/30 18:35

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