181. 北風チョコレート

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「はい、これ!!」
友美がチョコをくれた。
「それね~チョコの香りのするバスソルトだから」
『えっ、食べられないのかよ』
そう返事しつつも内心は嬉しくてたまらなかった。
その夜、風呂に浸かりながら早速バスソルトを溶かした。
『楽しみだなぁ~♪アイツもなかなかオツなことするな~』
……が、40度のお湯なのに溶けねぇ!
はじめはまだ包みが全部外せてないのかと凝視したがどう見てもそうではない。
『くっそ~投げつけて割ってやろうか!友美~これ何なんだよ』そう口にした途端バスソルトはみるみる溶け始めた。
『ん?どういうことだ?』
ゴミ箱に捨てた北風チョコレートソルトのパッケージを拾ってよく読んでみると、なるべく冷たい言葉を投げ掛けて下さいと書かれている。
『くっそ!!なんだこれ、あいつ明日はタダじゃおかねぇぞ♡』

俺の暴言で溶け始めたそれはみるみる俺を包み込み、尖ったハートも見事に溶かし始めた。
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公開:19/01/30 08:00
更新:19/01/30 12:59
友美もチョコソルトもきっとツンデレ

ことのは もも。( 日本 関東 )

日本語が好き♡
18歳の頃から時々文章を書いています。
短い物語が好きです。
どれかひとつでも誰かの心に届きます様に☆
感想はいつでもお待ちしています!
宜しくお願い致します。

こちらでは2018年5月から書き始めて、2020年11月の時点で300作になりました。
これからもゆっくりですが、コツコツと書いていきたいと思います(*^^*)

2019年 プチコン新生活優秀賞受賞
2020年 DJ MARUKOME読めるカレー大賞特別賞受賞
2021年 ベルモニー縁コンテスト 入選

 

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