世界の終焉と誕生(2)(終)

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魔王は絶望の中、救いを求めていた。
「誰か、いないか!? 魔族でも人間でもいい!」
もちろん誰も答えるものはない。
絶望した魔王はいつしか永い眠りについた。

目を覚ました魔王はいつの間にか一条の光がどこからか差し込んでくる事に気が付いた。
そして、そこにはひとつの芽が出てきている。
来る日も来る日も芽を眺め、残り少ない魔力で雨を降らし
肥料を与えた。芽が成長するに従い上からさす光もどんどん広がっていった。
いつしか若木となり、どこからか虫などが集まりひとつの生態系を形成した。
魔王はその生態系を慎重に管理した。もはや生き物を支配する考えは頭からすっかりなくなっていたのだ。
彼はその生態系の虫一匹にいたるまで愛していた。

月日が経ち、若木が『世界樹』に成長すると魔王を「神」とするひとつの世界が完成した。
彼は崇拝はもはや必要でなかったが、人々は彼を愛し立派な神殿を建て、崇拝した。
公開:19/01/26 21:29

ばめどー

ぼちぼちやっていこうと思います。
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