神のまにまに

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「やった! 大吉!」
「あら、良いわねぇ。お母さんは吉だわ」
「マジか! 父さん、凶や!」
ここはとある神社。初詣に来た家族がおみくじを引いて一喜一憂していた。何故か父の顔はニヤけている。

そんな様子を伺っている神の姉弟がいた。
「あんた、またやったわね?」
「だって退屈なんだもん」
「参拝者が少ないからねぇ」
「お賽銭の見張りじゃなくて、お姉ちゃんみたいにお願い叶える役やりたいなー」
「そのうちね。で、いくら入ったのよ?」
「こどもが千円、ママさんが百円、パパさんが五円だね」
「あいつ五円だったのか。というか、お賽銭の額でおみくじの結果を操作するのやめなさいって言ったでしょ!」
「神の特権、特権。そういうお姉ちゃんこそ……」
「な、なによ?」

この神社、願いがさっぱり叶わない事で有名だ。だからといって、ここに来ないのはまだまだである。
父は知っていたのだ。ここの神がおだてに弱い、と。
ミステリー・推理
公開:19/01/27 23:33
更新:19/01/27 23:36
レベル別の初詣 スクー

壬生乃サル

まったり。

2022年…3本
2021年…12本
2020年…63本
2019年…219本
2018年…320本 (5/13~)

壬生乃サル(MiBU NO SARU)
Twitter(@saru_of_32)

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