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身なりが整っているとのたまう中年が若者に自慢をはじめた。
「いいか、お前は俺のように肌を毎日手入れして、髪を清潔に整えるんだぞ」
そういって中年は、自身の肌や自らの服をこれみよがしに見せつけた。
「いやーめっちゃいい服ですね、それ」
「そうだろ、この服はなかなか高いんだぞ」
若者は仕方なく、話題に乗ってみせた。
ふと何かに気がついた若者は、言葉を継ぎ足した。
「小物も高い品を身につけていらっしゃるんですか?」
「なかなか若者にしては観察眼がするどいじゃないか。実は、この腕時計もとても高いんだ」
「是非、もう少し近づけて見せてくださいよ」
「こうか?」「いや、もう少し近づいて下さい。あとちょっとかがんでくれるとありがたいです」
「これでどうだ」
「ありがとうございます。非常に素晴らしい腕時計と立派なカツラが見えました」
中年がそれから若者に見栄を張ることは、一切なかった。
「いいか、お前は俺のように肌を毎日手入れして、髪を清潔に整えるんだぞ」
そういって中年は、自身の肌や自らの服をこれみよがしに見せつけた。
「いやーめっちゃいい服ですね、それ」
「そうだろ、この服はなかなか高いんだぞ」
若者は仕方なく、話題に乗ってみせた。
ふと何かに気がついた若者は、言葉を継ぎ足した。
「小物も高い品を身につけていらっしゃるんですか?」
「なかなか若者にしては観察眼がするどいじゃないか。実は、この腕時計もとても高いんだ」
「是非、もう少し近づけて見せてくださいよ」
「こうか?」「いや、もう少し近づいて下さい。あとちょっとかがんでくれるとありがたいです」
「これでどうだ」
「ありがとうございます。非常に素晴らしい腕時計と立派なカツラが見えました」
中年がそれから若者に見栄を張ることは、一切なかった。
その他
公開:19/01/25 13:00
更新:19/01/25 13:01
更新:19/01/25 13:01
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