最中のも

という品が実在する。「さいちゅう」でなく「もなか」の、も。
要するに皮だ。あんこ無し、無添加１００％皮。
私は、通常中身が詰まった食い物の、中身が詰まってないやつが好きだ。
シュークリームのシュー。中華まんの生地。どら焼きのどら。アップル抜きのアップルパイ。焼売餃子春巻きの皮に、メロンパンの上……は、ちと違うか。
たい焼きは尻尾の先まで「たい」で良い。今川焼も今川、もとい皮こそ命。菓子パンのたっぷりシリーズより、迷わずただのパンを取る。
そもそも商品の本体は、具より周りの部分。あんもジャムもクリームも、包む物があって、初めて存在を確立し得る。盛りも増しもデコもせず、素皮＆生地のままでいてほしい。邪道と言いたければ言え、Ｉ・ＬＯＶＥ・外身！
……だが、中身が無いという事は、すなわち個性を主張できないという事。皮・生地・パン各々のアイデンティティを、何を以って表現するか。目下悩んでいる最中だ。