将来の夢は猫が決めてくれた2(終)

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親は仕事で忙しく、障子を張り替える作業はいつも僕の役目だった。
「こら、破いちゃダメって言ってるだろ!」
家に帰ると、いつものように猫パンチをしているタマの姿があった。
僕には基本忠実なタマなのに、障子を破くことだけは何度注意しても、一度も言うことは聞いてくれなかった。

障子を張り替えて半年ほど経ったころだろうか。
「あんた、職人を目指せば?」
何気ない母の一言で、呆気なく僕の将来は決まった。
調査票をみた先生は驚いていたが、人手不足だからいいんじゃないと後押ししてくれた。
地味な作業だけど、手先はとても器用になっていた。
 


五年後、僕は障子を作ったり張り替えたりする仕事に就いている。
あの時、タマが障子に猫パンチをしていなかったら、僕は今ごろ何をしていたんだろうと考える。
タマのおかげで今の僕はとても充実している。
その他
公開:19/01/26 18:37

もこもこ( 九州 )

学生やってます。
やっぱり定期的に書かないと全然書かなくなりますね。
まあ気楽に書いていきます。
小説家志望です。よろしくお願いします。
 

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