八月十三日の学園祭
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友人に誘われたお化け屋敷は、フロア全体を使った三年生合同の模擬店、今年の目玉だ。
長い廊下は暗幕で覆われ真っ暗だった。夏の盛りというのにどんな仕掛けか、鳥肌が立つほど寒く、私達の他に人影はない。
暗闇を、手を取り合ってそろそろ歩く。すると、長い廊下の向こうから、「えっ」人骨だ。光る人骨。ひゅっ、と喉が鳴る。それは不気味な動きでかくん、かくんと近づいてきた。教室一つ分まで距離を詰めると、突如走り出しーービィッと間抜けな音がして、人骨の横から、脚が生えた。
「うわ、破けた」憧れの先輩の、照れたような声だった。先輩…!先輩だ…!
何のことはない、黒服に蛍光塗料で骨を描いただけ。何かに引っ掛けて破れた拍子に脚が出てしまったようだ。
何してるんですか。自分の笑い声を聞いて気づく。ああ、これ、夢なんだ。だって…。
意識が現に浮上する直前、友人が言った。
「先輩、死んだんじゃないの…?」
…そうだよ。
長い廊下は暗幕で覆われ真っ暗だった。夏の盛りというのにどんな仕掛けか、鳥肌が立つほど寒く、私達の他に人影はない。
暗闇を、手を取り合ってそろそろ歩く。すると、長い廊下の向こうから、「えっ」人骨だ。光る人骨。ひゅっ、と喉が鳴る。それは不気味な動きでかくん、かくんと近づいてきた。教室一つ分まで距離を詰めると、突如走り出しーービィッと間抜けな音がして、人骨の横から、脚が生えた。
「うわ、破けた」憧れの先輩の、照れたような声だった。先輩…!先輩だ…!
何のことはない、黒服に蛍光塗料で骨を描いただけ。何かに引っ掛けて破れた拍子に脚が出てしまったようだ。
何してるんですか。自分の笑い声を聞いて気づく。ああ、これ、夢なんだ。だって…。
意識が現に浮上する直前、友人が言った。
「先輩、死んだんじゃないの…?」
…そうだよ。
青春
公開:19/01/26 02:49
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