涙の繰り上げスタート

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中継地点となる改札前。高橋が今か今かと母の到着を待っている。クリスマスイブ、外には雪が降ろうかという寒空の下、高橋はただ母を信じ、母の姿を探しております。
もう一度状況を整理しましょう。家に忘れてしまった彼女へのプレゼントの箱。家まで片道15分。往復で30分。戻っていては間に合わない。母に連絡し、急いで駅に持ってきてくれと頼んだ。次の電車に乗れなければ、彼女は怒って帰ってしまう。母はまだ来ない。電車到着のアナウンスが響き渡った。
高橋、ここで無念の繰り上げスタート!
プレゼント無しで彼女に謝る作戦に出た。駆け込み乗車で滑り込み、車内で遅刻の言い訳を考えている。
ようやく待ち合わせの駅に到着。高橋、改札前のツリーにダッシュだ。
彼女が待っていた。間に合った。しかし彼女は激怒している。平謝りの高橋。もちろんプレゼントの箱はありません。
やはりダメだ、フラれてしまった!

儚く散った箱ねぇの夢!
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公開:19/01/23 06:07
更新:19/01/23 06:20
スクー 涙の繰り上げスタート クリスマス

のりてるぴか( ちばけん )

月の音色リスナーです。
ようやく300作に到達しました。ここまで続けられたのは、田丸先生と、大原さやかさんと、ここで出会えた皆さんのおかげです。月の文学館は通算24回採用。これからも楽しいお話を作っていきます。皆さんよろしくお願いします。

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