【宇宙図書館】La biblioteca del Universo

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──初めて読んだ本なのに、どこか懐かしい。
──これは俺の話ではなかろうか?

そんな錯覚すら抱かせる物語を紡げるのは、余程腕の立つ作家にしか出来ることではない。
──人は死んだらどうなるのだろう?
俺の様な凡人にもそれなりに培ってきた知識や経験はある。
一生分ともなると相当なデータ量だ。
それでも死んで魂が抜けたら……データは意識と共にバラバラに散ってしまうのだろうか?
──なんだが勿体ないな。
そんな事を考えながら、ゆらゆらと天を仰ぎながら泳いでいると
──ぽーん。
と、急に凄い力でつかまれ、宙に放り上げられたかと思うと、誰かにふわりと受け止められた。
──天使だった。
天使が雲間から釣り竿を垂らしていた。

俺は、否、俺の魂はいつの間にか一冊の本になっていた。
そうして日本・近代文学・ミステリの書架に納められると隣の本が挨拶代わりに

──現世は夢。夜の夢こそまこと。

と呟いた。
ファンタジー
公開:19/01/23 01:14

椿あやか( 猫町。 )

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