三色カレー

「コンニャクワ。アチキ、インドカラ、ハルバルーン、スッポンポンニ、ヤッツケテ、キマースタ」
キャラも顔も濃いインド人がやった来た。とりあえず褒めよう。
「こんにちは。日本語お上手ですね」
「テレサテン、トッチメルゾ！」
うん。おそらく照れているのだろう。この教室には第二外国語として日本語を選択した者たちがやって来る。しばらく講師である私がお相手してあげよう。
「やはりインドのカレーは美味しいですか？」
「カレーノ、ダメダス。アメーダス」
「ほぅ。じゃあ、カレーは食べない？」
「サンショク！」
「朝、昼、晩？」
「ノー！　レッド、ホワイト、グリーン！」
「三色？」
「イエス！　スティック、ブッシャー！」
それ、三色団子では？　と思っていると、彼が画像を見せてくれた。
「これは……」赤いルー、白い米、緑の野菜、木製スプーン。
「カレー、だね」
うん。ちょっと日本語がわかり辛い。カレーは辛そう。