運命の赤い糸

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「結ばれる運命の2人は見えない赤い糸で結ばれているのよ」
そんな台詞を思い出した
当時の私には赤い糸がはっきり見えていた
それは私から出ているわけではなかった
ただ目の前に、誰かと誰かを結ぶ赤い糸があった
私はその糸を掴んだ
恋の始まりをこの目で見たい

糸はあっという間に交差した
出会えなかったのか?
しばらくすると再び右と左が入れ替わった
何度も交差を繰り返す赤い糸
運命はいたずらにすれ違うものだと知ったのもこの時だった

片方を辿って本人に接触し、運命の人のところまで連れて行きたい
だがそんなの美しくない……
やっぱり偶然に任せよう……
そう思った時だった

「赤い糸やんけ」
私以外にも見える人がいるんだ
「ってか大丈夫?」
気がつくと、私は赤い糸に亀甲縛りにされていた
「よかったらウチで働かへん?」
こうしてスカウトされセクシー業界に入った私にとっても、これは運命の赤い糸だった
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公開:19/01/24 20:58

西木( Tokyo/Tokushima )

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