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時は三国時代。蜀漢の第二次北伐、諸葛亮は陳倉城を包囲したが、籠城する郝昭の善戦により兵糧が尽きかけていた。そこで諸葛亮は魏延に策を与えた。翌日、陣中で盛大な炊き出しが行われた。蒸籠で蒸しているのは諸葛亮が先の南征で考案した饅頭(小麦粉を水で練った皮に羊や牛の肉を包んだもの)だ。百を超える蒸籠から沸き立つ湯気は遠く陳倉城からも見て取れた。
「蜀軍は未だ戦意衰えずとこちらに見せかけ、撤退を始めるのではないか」
それを聞いて王双が膝を打った。
「さすがは郝昭、儂が逃げる蜀軍を蹴散らしてくれよう」
蜀軍は王双の出撃に慌てふためき、炊き出しの蒸籠をそのままに逃げ出した。王双は盛んに騎馬を走らせた。その時、魏延の合図で紐に結ばれた蒸籠の蓋が一斉に開いた。辺りは湯気で真っ白に染まり、そこへ矢が一斉射撃された。前後不覚となり王双は討ち取られた。
後世の歴史家はこの策を「ホワイトアウト肉まんの計」と呼んだ。
「蜀軍は未だ戦意衰えずとこちらに見せかけ、撤退を始めるのではないか」
それを聞いて王双が膝を打った。
「さすがは郝昭、儂が逃げる蜀軍を蹴散らしてくれよう」
蜀軍は王双の出撃に慌てふためき、炊き出しの蒸籠をそのままに逃げ出した。王双は盛んに騎馬を走らせた。その時、魏延の合図で紐に結ばれた蒸籠の蓋が一斉に開いた。辺りは湯気で真っ白に染まり、そこへ矢が一斉射撃された。前後不覚となり王双は討ち取られた。
後世の歴史家はこの策を「ホワイトアウト肉まんの計」と呼んだ。
その他
公開:19/01/24 10:20
更新:19/01/27 07:46
更新:19/01/27 07:46
呼んでません。
スクー
ホワイトアウト肉まん
SS150作品達成
月の音色リスナーです。
ようやく300作に到達しました。ここまで続けられたのは、田丸先生と、大原さやかさんと、ここで出会えた皆さんのおかげです。月の文学館は通算24回採用。これからも楽しいお話を作っていきます。皆さんよろしくお願いします。
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