現金偽送者

12
11

その父親は悩んでいた。月の都市開発を続けている息子だったが、月の物価高騰で仕送りで支えなければならなくなったのだ。問題は高額な銀行の送金手数料だった。
そんな時、ある男が家を訪ねてきた。
「月への送金でお困りではありませんか?」
「ああ、困ってたところだ」
「なら、弊社におまかせください」
男は鞄から、小さな箱を取り出した。
「これは現金を粒子化して、送金先で復元させる装置です」
「送金料がいらないわけか?」
男は試しに一万円札をその装置に入れ、息子に送金して見せた。
父親が電話で息子に確認すると、本当に届いていた。
父親は送金装置を使ってみることにした。

男は装置から次々と送られてくる現金を抜き取って数え、用意していた札束から同じ額の現金を別の装置から送金した。
これは男の罠。マネーロンダリングのようだ。
「偽札とはバレずに届いたようだな。こう上手くいくとは、俺にもツキが回ってきたぜ」
SF
公開:19/01/23 17:33
更新:19/01/24 12:23
スクー 仕送りロンダリング

豊丸晃生( 大阪 )

ショートショートの神様、星 新一を崇拝しています。お笑い好きで怪談も好き。
最近はスクーのお題からの作品を楽しく書かせていただいてます。お笑いネタのような作品が多いですね(笑)
【受賞作品】
「渋谷シティ」
渋谷ショートショートコンテスト優秀賞受賞。
「我が家の食卓」
ベルモニーショートショートコンテスト入賞。
「電車家族」
隕石家族ショートショートコンテスト入賞。

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容