その商品はどうやって生まれたのか

その仕事は過酷だった。誰もが逃げ出したい。しかしそれが許される状況ではなかった。
仲間が倒れる。倒れた分だけ追加される。倒れた奴は処分された。俺達はただの消耗品だ。
そんな辛い仕事だからこそ、俺達の結束は固いものへと変わっていく。
いつかはこの状況を一変させてやると皆で誓い合った。
その時が来るまで、俺達は汗水たらし、油にまみれ働いた。
そしてついにその時がやってきた！
俺達は完成した商品を自分達のものにして新たな出発を図った。
そして今がある。

「そうした生まれたのがこの『辣油（ラーユ）』です」

「皆さん、苦労したんですね。１本頂きます」

「お買い上げ、ありがとうございます！」
「お買い上げ、ありがとうございます！」
「お買い上げ、ありがとうございます！」
「お買い上げ、ありがとうございます！」
「お買い上げ、ありがとうございます！」

俺達５人の声が重なった。