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一月一日。大勢の参拝客が訪れる神社の本殿の奥。神床で神様は胡座をかいていた。
神様の目には僅かなお賽銭を入れて鈴を鳴らし大層な願い事をする人々の群れが見えていた。そして、人間の頭上には「LV.1」や「LV.2」という文字が浮かんでいた。
「普段参拝しない奴の願いなんか聞くわけなかろうが…」
頭上に表示されたレベルは、昨年の参拝件数だ。レベル1の人間は、昨年の初詣振りにこの神社を訪れたのだろう。
そうは言っても、何も願いを叶えず、来年の参拝客が減っても困る。神社の維持には金がかかるのだ。
どこかにレベルの高い奴はおらんのか。
そこで神様は、人ゴミの中に「LV.217」の表示を見つけて驚いた。参拝客の足の間をすり抜けていくそれは、一匹の猫だった。猫は賽銭箱まで辿り着くと、コロンとビー玉を入れた。
神様は一つ頷いて指を踊らせると、猫の周りに光が舞い、声が届いた。

きょうもおひさまありがとにゃん
ファンタジー
公開:19/01/21 10:35
更新:19/01/21 13:18
スクー レベル別の初詣

のりてるぴか( ちばけん )

月の音色リスナーです。
ようやく300作に到達しました。ここまで続けられたのは、田丸先生と、大原さやかさんと、ここで出会えた皆さんのおかげです。月の文学館は通算24回採用。これからも楽しいお話を作っていきます。皆さんよろしくお願いします。

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