朝焼けジャック
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東の空に朝焼け。音ひとつない静かな時間の、いったい何が気に食わないのか、あいつがまた現れる。
朝焼けジャックだ。
いつからだろう。朝焼けを見た者の耳に、パンクロックが響くようになった。どうも視神経経由で聴覚が刺激されているらしく、爆音はそれぞれの耳の中でだけ弾け、世界はしんとしたままだ。
話題が話題を呼び、早起きする者が続出した。ただ、慣れとは恐ろしいもので、人はいつしか場違いな面白さにすっかり飽きてしまった。
パンクロックは単なる環境音として世界に溶け込み、鼓膜どころか心を震わすこともなくなって、そして…今日に至る。
ゆっくりと夜が明けてゆく。
老練なシャウトに引き裂かれる空。リフレインを引き継ぐかのように、今日も鳥がさえずりを始めた。
朝焼けジャックだ。
いつからだろう。朝焼けを見た者の耳に、パンクロックが響くようになった。どうも視神経経由で聴覚が刺激されているらしく、爆音はそれぞれの耳の中でだけ弾け、世界はしんとしたままだ。
話題が話題を呼び、早起きする者が続出した。ただ、慣れとは恐ろしいもので、人はいつしか場違いな面白さにすっかり飽きてしまった。
パンクロックは単なる環境音として世界に溶け込み、鼓膜どころか心を震わすこともなくなって、そして…今日に至る。
ゆっくりと夜が明けてゆく。
老練なシャウトに引き裂かれる空。リフレインを引き継ぐかのように、今日も鳥がさえずりを始めた。
ファンタジー
公開:19/01/20 21:59
400字って面白いですね。もっと上手く詰め込めるよう、日々精進しております。
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