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人を撥ねた。早朝で人影はない。向かい側のゴミ置き場へ出す、大きな生ゴミの袋をぶら下げた、小さな女性だった。
気が動転した私は、一心不乱に、路上に散乱したゴミと女性を袋に詰め、ゴミに出してしまった。なぜ、そんなことをしたのか、自分でも分からない。
というSSを思い出した。目の前で運転者が、生ゴミと女性とを、懸命にゴミ袋へ詰めていた。
僕は思わず路上にひざまずき、素手で、散らばったゴミをかき集める手伝いをしていた。彼は驚いたように私を見て、そして小さく会釈をしたように見えた。二人でゴミ袋をゴミ置き場に置くと、私たちは少し笑って、その場を立ち去った。
というSSのことを思い出しながら、私は、脛から飛び出た骨で袋を破らないように気を遣いつつ、
「生ゴミの水気を、もっとちゃんと切っておけばよかった」
という、このリアルな気持ちをSSにする機会が、私に残されているだろうか、と思った。
気が動転した私は、一心不乱に、路上に散乱したゴミと女性を袋に詰め、ゴミに出してしまった。なぜ、そんなことをしたのか、自分でも分からない。
というSSを思い出した。目の前で運転者が、生ゴミと女性とを、懸命にゴミ袋へ詰めていた。
僕は思わず路上にひざまずき、素手で、散らばったゴミをかき集める手伝いをしていた。彼は驚いたように私を見て、そして小さく会釈をしたように見えた。二人でゴミ袋をゴミ置き場に置くと、私たちは少し笑って、その場を立ち去った。
というSSのことを思い出しながら、私は、脛から飛び出た骨で袋を破らないように気を遣いつつ、
「生ゴミの水気を、もっとちゃんと切っておけばよかった」
という、このリアルな気持ちをSSにする機会が、私に残されているだろうか、と思った。
ホラー
公開:19/01/22 11:18
星新一さんのようにかっちりと書く素養に乏しく、
川端康成さんの「掌の小説」のように書ければと思うので、
ショートショートとはズレているのかもしれないです。
オチ、どんでん返し、胸のすく結末。はありません。
400文字、おつきあいいただければ幸いです。
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