十二支の幹事確認/子

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 小学三年生のとき、担任の先生がパンダマウスのオスとメスを一匹ずつ連れてきて、クラスで飼うことになった。
 飼育係だった私は、とくに可愛がって世話をした。パンダマウスが赤ちゃんを産むと、クラスの皆が喜んだ。どんどん子どもが増えて、孫が産まれたころには、最初のメスが共食いを始めた。狭いケージの中で増え続ける鼠たちが、お互いを食い合った。初めは一匹ずつお墓を作ったが、最後は校舎裏の一角にまとめて埋めた。
 大人になった今でも、大事な仕事の前日なんかに鼠の夢を見る。ケージから溢れ続ける鼠たちを、ただただ新しいケージに戻していく夢。
 おや、珍しい。捕まえた鼠の中に、真っ白な鼠と真っ黒な鼠を一匹ずつ見つけた。
「その子らは私が引き取ろう」
 とつぜん目の前に女性が現れると、真っ白と真っ黒はぴょんと飛び跳ねて、女性の手の平に乗った。女性が鼠を撫でてやると、鼠は白と黒のアイシャドウに姿を変えた。
ファンタジー
公開:19/01/19 22:33
十二支の幹事確認 連作

10101298

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