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俺はつまらない事ですぐクヨクヨする性格を鍛えるため、ある山奥へ滝修行に来た。
道中、俺にしては珍しく楽しくて愉快な気持ちになり険しい山道がハイキングのように感じた。
現場に着き激しく落ちる滝が見えたが、不思議と怖いと思わなかった。
むしろ挑戦したくてウズウズしていた。
俺の中にこんなにも前向きな気持ちがあったのかと、新たな自己発見に驚きながら意気揚々と滝へ飛び込んだ。
暫くして全く身体が濡れていない事に気づいた。
恐る恐る見上げると、なんと水が俺を避けるように身体に沿って弾かれているではないか。
不思議な体験にぽかんと見とれていたが、ふと「俺は滝にも避けられるような存在なのだ」という自虐がよぎった。
その瞬間、滝が勢い良く俺の顔面を叩きつけ、俺はあっという間に川下へ流されてしまった。
SF
公開:19/01/20 10:18
更新:19/01/21 06:11

林 孝光( 東京 )

普段は四コマ漫画を描いたり、イラストを描いて遊んでいます。

ショートショートは中学生の時に筒井康隆先生に出会って衝撃を受けて、星新一先生、藤子F不二雄先生と手を伸ばして読み漁り自分なりに執筆をしていました。

よろしくお願いします❣️

ショートショートの漫画も執筆しています。

漫画ブログ

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