世界のはじまり

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たまたま覗いた骨董市で見つけた、その小さな小瓶の中に浮かんでいる地球儀は、見れば見るほど良く出来ていた。
いったいどのような仕掛けになっているのかわからないが、明るい部屋の中で見ても昼と夜に別れていて、ちゃんと二十四時間周期で自転しているようである。
暫くは、瓶をクルクル回して色々な角度から眺めっていたのだが、そのうちある一定方向に瓶をこすると、地球儀を自由自在に拡大したり縮小したりできることがわかった。
試しにどんどん地球を拡大してゆくと、地上に街並みが現れ、地上を走り回る車や、歩いている人間の姿も見ることができた。自分の住んでいるマンションの場所を探して、瓶を傾けて窓から部屋を覗いてみると、なんと瓶を覗き込んでいる私の姿が見えるではないか。
私は窓を開けて手を振ってみた。と、そのときうっかり手が滑って、窓から瓶を落としてしまい、瓶はそのまま地上へ落下し、世界は終わった。
SF
公開:19/01/20 07:35
更新:19/01/20 09:01

尋亀( ネオトキオ )

巣々木尋亀(すずきひろき)と申します。

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