7
6
魔女はお姫様だった。愛する王子様を失って、魔女は魔女になった。
呪いで動物になった魔女の力たちは、魔女をお姫様に戻してあげたくて、館の庭に集まった。
猪が言った。
〝今年は亥年だから、ワタシが生贄になろう。ワタシに皆の呪いを集めよう〟
紫のチューリップが、どこまでも一直線に並んで咲いていた。
決して曲がらず、振り返らずに続いていく紫の道を、魔女は馳せた。
いの一番に飛び出して、現世の果てまで駆けた魔女の宝物。
もう返らないその宝物を、魔女は弔いにゆく。
やがて空が紫に染まり、世界が紫に染まると、魔女はそれが自分の罪悪感の色のように錯覚した。
永遠に続くと思われた紫の道の果てに、使い切った口紅のスティックが転がっていた。
魔女はそれを土の中に埋めて、美しく長かった髪を切って捧げた。
呪いで動物になった魔女の力たちは、魔女をお姫様に戻してあげたくて、館の庭に集まった。
猪が言った。
〝今年は亥年だから、ワタシが生贄になろう。ワタシに皆の呪いを集めよう〟
紫のチューリップが、どこまでも一直線に並んで咲いていた。
決して曲がらず、振り返らずに続いていく紫の道を、魔女は馳せた。
いの一番に飛び出して、現世の果てまで駆けた魔女の宝物。
もう返らないその宝物を、魔女は弔いにゆく。
やがて空が紫に染まり、世界が紫に染まると、魔女はそれが自分の罪悪感の色のように錯覚した。
永遠に続くと思われた紫の道の果てに、使い切った口紅のスティックが転がっていた。
魔女はそれを土の中に埋めて、美しく長かった髪を切って捧げた。
ファンタジー
公開:19/01/19 22:44
更新:19/01/22 14:54
更新:19/01/22 14:54
十二支の幹事確認
連作
(完)
書き手さま読み手さま、私の名前が読めない皆さま。交流大歓迎です!
https://twitter.com/1o1o1298
ログインするとコメントを投稿できます