十二支の幹事確認/申

4
6

「ねぇねぇおばあちゃん」
「なぁに」
「どうして鏡の中の自分は、右と左が逆になるの?」
「そうだねぇ、不思議だねぇ。それじゃあちょっと横になって寝てごらん」
「こう?」
「そう。そしたらあの鏡を見てごらん。どっちが逆に見える?」
「こっちが右でこっちが左だから、鏡のこっちとこっちが逆」
「そうだねぇ。でも座ってるおばあちゃんはそうはならないねぇ」
「……あれ?」
「ふふ、不思議だねぇ」
「こっちが右でこっちが左だから……あれ? こっちは逆じゃない?」
「ぜんぶが逆なの」
「うぅん?」
「ぜんぶ。私たちの世界は時間が前に進むけど、鏡の世界では時間も後ろ向きに進むの」
「ええ、じゃあこっちに映ってるのがあたしで、こっちに映ってるのがおばあちゃん?」
「ふふ、面白いことを言うねぇ。そうかもしれないねぇ。さぁ、そろそろ帰りましょう。また時間を止めるわね」
ファンタジー
公開:19/01/19 22:41
十二支の幹事確認 連作

10101298

書き手さま読み手さま、私の名前が読めない皆さま。交流大歓迎です!
https://twitter.com/1o1o1298

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容