十二支の幹事確認/未

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 事件が起きた。大学の駐輪場に停めてあった全ての自転車のサドルが、カリフラワーにすり替えられてしまった。
 わたしの自転車も例外ではなかった。サドルはかごの中にあったが、それでもわたしはこのカリフラワーを捨てる罪悪感に耐えなければならない。まさか持ち帰って食べる勇気もないし。
 なんて迷惑な暇人だろう。でも大学生なんてそんなもんかな、と思ったら、ただ捨てるのが悔しくなった。わたしも大学生らしくカリフラワーを捨てよう。
 わたしは色んな色の風船を、白いカリフラワーに括りつけてやった。そして校舎の屋上から空に飛ばした。なんか大学生っぽいな、と思った。

 空を旅していたカリフラワーは、やがてもくもくと膨らんで大きな雲に姿を変えていた。
「お前が飽きるまで、私も付き合うよ」
 魔女は雲に降り立って、雲の角を撫でてやった。雲の角はアンテナになって、最新のおしゃれトレンド情報を受信しはじめた。
ファンタジー
公開:19/01/19 22:40
十二支の幹事確認 連作

10101298

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