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トースターで焦げ目を付けた平目の骨を、熱燗にしたカップ酒に放り込んだ。コンビニのおでんと即席の骨酒でぽかぽかする。
八十円の大根、この世で一番美味い。
九十円のがんも、この世で一番美味い。
ほろ酔いでうっとりしていると、おでんのつゆの中を何かがにょろにょろと泳いだ。
白滝……にしては太い。巾着を縛るかんぴょうだ、と狙いを定めて箸でつまむと、それはうねうねと箸に絡み付いて締めつけた。
「うわ! まだ生きてるよこれ。蛸の足だ」
コンビニの店員さんが間違えて、まだ煮えていない生の具を入れてしまったのだ。たぶんこの世で一番美味い。
「ふふ、美味しそう」
とつぜん隣に美女が現れて、骨酒のカップに注ぎ酒をしてくれた。その所作に目を奪われていると、隙を突いた蛸の足がぶしゅっと墨を吐いて、萎んでしまった。墨は美女の皮膚の内側を這っていき、蛇のタトゥーになって胸元の蛙を呑み込んだ。
八十円の大根、この世で一番美味い。
九十円のがんも、この世で一番美味い。
ほろ酔いでうっとりしていると、おでんのつゆの中を何かがにょろにょろと泳いだ。
白滝……にしては太い。巾着を縛るかんぴょうだ、と狙いを定めて箸でつまむと、それはうねうねと箸に絡み付いて締めつけた。
「うわ! まだ生きてるよこれ。蛸の足だ」
コンビニの店員さんが間違えて、まだ煮えていない生の具を入れてしまったのだ。たぶんこの世で一番美味い。
「ふふ、美味しそう」
とつぜん隣に美女が現れて、骨酒のカップに注ぎ酒をしてくれた。その所作に目を奪われていると、隙を突いた蛸の足がぶしゅっと墨を吐いて、萎んでしまった。墨は美女の皮膚の内側を這っていき、蛇のタトゥーになって胸元の蛙を呑み込んだ。
ファンタジー
公開:19/01/19 22:38
十二支の幹事確認
連作
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