8
7
通り雨が去って、少年は空に大きな虹が架かるのを眺めていた。瞬間、虹に一筋の閃光がぶつかった。少年はそれが雷だとわかった。
虹は雷のぶつかったところから粉々に砕けていって、まるでステンドグラスでできたカーテンが引かれるように、きらきらと遠くの街に崩れて降った。やがて世界中の鐘をいっせいに鳴らしたような、とても恐ろしい轟音が少年を襲った。
少年は急いで家に戻って、妹に教えた。
「虹が割れたよ!」
「ふぅん、どこで?」
「たぶん遠いけど、明日一緒にいこ? 虹の欠片拾えるかも」
「遠いなら、あたしはいいや」
「でっかい虹だったから、色んな色が拾えるよ。七色だけじゃないかも」
「虹は虹色でしょ」
辺り一面、虹色に煌く鱗が散乱していた。
「ふふ、あんなに大きな声で泣いて。痛かったろう」
しくしくと泣く龍を魔女が優しく撫でてやると、龍は散った鱗を呼び戻して、虹色のマニキュアになった。
虹は雷のぶつかったところから粉々に砕けていって、まるでステンドグラスでできたカーテンが引かれるように、きらきらと遠くの街に崩れて降った。やがて世界中の鐘をいっせいに鳴らしたような、とても恐ろしい轟音が少年を襲った。
少年は急いで家に戻って、妹に教えた。
「虹が割れたよ!」
「ふぅん、どこで?」
「たぶん遠いけど、明日一緒にいこ? 虹の欠片拾えるかも」
「遠いなら、あたしはいいや」
「でっかい虹だったから、色んな色が拾えるよ。七色だけじゃないかも」
「虹は虹色でしょ」
辺り一面、虹色に煌く鱗が散乱していた。
「ふふ、あんなに大きな声で泣いて。痛かったろう」
しくしくと泣く龍を魔女が優しく撫でてやると、龍は散った鱗を呼び戻して、虹色のマニキュアになった。
ファンタジー
公開:19/01/19 22:37
十二支の幹事確認
連作
書き手さま読み手さま、私の名前が読めない皆さま。交流大歓迎です!
https://twitter.com/1o1o1298
ログインするとコメントを投稿できます